オフィス移転時の電話番号、電話工事について
株式会社メガ 電話コンシェルジュのプロフィール
こんにちは。株式会社メガ 電話コンシェルジュの宮川です。
「オフィス電話回線NAVI」にご来訪いただき、誠にありがとうございます。
私は約15年にわたり、法人のお客様の通信ITコンサルタントとして、通信及びインターネット環境の構築・最適化のお手伝いをさせていただいて参りました。
その経験を生かし、「オフィス電話回線NAVI」コンシェルジュとして急速に進化する電話サービスと、多様化する企業様の通信環境に向き合い、一人ひとりのお客様にとって最適な通信環境をご案内・ご提案させていただきます。
オフィスの移転先によって電話番号が変わるかどうかが決まる
オフィスの移転を計画するときに「電話番号が変わるか?」は非常に気になる項目です。
電話番号が変わることによる機会損失は最小限に抑えたいところでしょう。
近所だから電話番号は変わらないと決め付けるのは危険
お客様から「今度、〇〇区△△町の2丁目から5丁目に移転するのだけど、同じ△△町の中だから電話番号は変わらないよね?」というようなお問い合わせをいただくことは少なくありません。
おそらく皆様の中にも同様の認識をお持ちの方は多いだろうと思います。しかし、この認識のままオフィス移転の手続きを進めることは非常に危険です。
結論から申し上げますと、同じ△△町内の移転でも電話番号が変わる場合と変わらない場合があります。
電話番号はNTT基地局で決まっている
電話番号はNTTの基地局ごとに管理されているため、移転によって管轄の基地局が変わる場合、電話番号も変わります。
そして、基地局の管轄は必ずしも「市区町村単位」で分かれているわけではありません(敷設されている電話回線の数が地域によって異なるため)。
例えば、△△町1丁目から3丁目が基地局A、4丁目から6丁目が基地局Bの管轄となっている場合、2丁目から3丁目への移転であれば電話番号は変わりませんが、前述のお客様のように2丁目から5丁目への移転の場合は電話番号が変わることになります。
また、法人数が多いエリアでは一つの丁目を二つの基地局で管轄していたり、大型幹線道路をまたぐ住所の場合は、幹線道路の両側で基地局が分かれていることがあります。
電話番号が変わる・変わらないはどうすれば分かる?
電話番号が変わるかどうかはNTTなど契約されている電話会社に確認をしましょう。
NTTの場合は、お問い合わせ窓口「116」でオペレーターに確認してもらうことができます。
そのほかの電話会社についても、各社の問い合わせ窓口(電話・インターネットなど)で確認が可能です。
「近所への移転だから」と安易に考えず、必ず問い合わせをしておきましょう。
オフィス移転時の電話工事の流れと費用
オフィス移転における電話工事のポイントについて解説します。
ポイント1.電話会社に移転予定の旨を連絡
電話回線を移転しなければ、移転先で電話を使用することはできません。
初めにすべきことは「電話会社に移転の意思を伝え、手続きについて案内してもらう」ことです。
契約している電話会社を調べる
契約している電話会社が分からない場合、最も簡単で確実な確認方法は「電話料金の請求書を確認する」ことです。
電話・FAX・インターネットで別々の電話会社と契約している場合もありますので、経理担当者に確認しましょう。
それでも分からない場合は「電話工事会社に確認してもらう」という方法もあります。
電話会社に移転の旨を連絡
電話工事をする会社によって回線移転の手続きや手続きにかかる期間が異なります。
移転先住所と移転希望日を電話会社に伝えて、必要な手続きを案内してもらいましょう。
インターネットで申し込みができる場合もありますので、ご利用の電話会社のホームページも確認するといいでしょう。
電話番号の変更有無を確認
電話会社に問い合わせをするときは「移転先の住所で番号が変わるかどうか」を忘れずに確認してください。
電話工事会社を選定して連絡
電話工事会社を選定するポイントとしては、配線や機器設定の技術力も大切ですが、多様化する電話システムに対する工事実績とアフターサポート体制が整っていることが重要です。
電話回線工事と電話機工事のスケジュール調整は、移転計画の中でも非常に重要な項目です。
早い段階から情報を共有することでスムーズなスケジュール調整ができ、移転計画の成功を実現します。
ポイント2.電話番号が変わる場合に必要なこと
電話番号が変わる場合には以下の手続きが必要になります。
新しい電話番号の選択と決定
電話会社から提示される、現在使われていない電話番号の中から新しい電話番号を選びます。
ここで注意が必要なのは「社外に通知している番号はすべて変更になる」ことです。
代表番号、FAX番号、各種直通番号など、社外に通知している番号はすべて新しい電話番号を選ぶ必要がありますので、漏れがないようにしましょう。
古い電話番号の休止に伴う手続き
移転によって使われなくなる古い電話番号は、通常は「現在使われておりません」というアナウンスを流す対象となります。
しかし、もしオフィス移転したことを知らない取引先があった場合、連絡が取れない状況に陥ってしまいます。
そこで各電話会社では、移転によって電話番号が変更されたことを案内する、AISという無料の自動音声応答サービスを用意しています。
例)「おかけになった電話番号は移転のため番号が変わりました。新しい番号は◯◯-◯◯◯◯-◯◯◯◯です。」
移転手続きの際に電話会社から「アナウンスを流しますか?」と聞かれますので、社外に通知されている番号で移転後も引き続き運用する番号はAISを利用するといいでしょう。
ポイント3.電話回線を移転する工事日の決定
電話回線を移転する工事の日程は、オフィスの移転日に合わせて慎重に決める必要があります。
これを安易に進めると「オフィスを引っ越したのに電話が使えない」という事態になりかねません。
電話回線移転工事日を決定するポイントについて解説します。
オフィス移転日と同日にするべき?
電話番号が変わらない場合は、オフィスの移転日と同日に工事をするのが無難です。
しかし、オフィスの移転を土・日・祝日に行いたいのに、電話会社の工事が平日にしかできない場合があります。
そうしたときは「移転前日の営業時間終了後」や「移転後初日の営業時間前」に行うこともあります。
いずれにせよ「電話がつながらない時間を最小限にする」ことが重要です。
電話番号が変わる場合、電話回線の手続きの中で「旧番号の休止」と「新番号の開始」を分けて行うことができます。
電話がつながらない時間を最小限にするために、以下のテクニックを使うことも可能です。
- 移転日前、新オフィスで電話回線の電話線工事のみを行う
- 移転先のオフィスに電話会社から工事人が派遣され、新しい電話番号の電話線工事のみを行い、「新番号の開始」は行わない。
- 移転日当日、「新番号の開始」と「旧番号の休止」の切り替え工事を行う
- この工事は電話会社の基地局内で行われます。切り替えが完了した時点から新しい電話番号での通話が可能になり、古い電話番号はAISによるアナウンスの対象となります。
- 移転後、旧オフィスの電話回線撤去工事を行う
- 新しい電話番号と同様に、旧オフィスに工事人が伺い、電話線の撤去工事を行います。
※オフィスの設備状況によって、行わない場合もあります。
必ずしも希望のスケジュールで移転できるわけではない
電話回線の移転工事日は、必ずしも希望通りに決まるわけではありません。
工事にはいくつかの手続きと日数が必要で、工事人の予定が埋まっている日には工事ができません。
企業の移転は土・日・祝日に行われることが多いため、土・日・祝日から工事枠が埋まっていきます。
特に、年末や年度末は移転を計画する企業が多く、工事枠が埋まりやすいため、急な依頼には対応できない可能性が高いです。
スムーズな移転スケジュールを組むためにも、最短でも移転日の1か月前までには手続きを開始することをおすすめします。
オフィスの引越し、電話回線工事、電話機工事のスケジュール調整
「電話の移転」を成功させる最大の秘訣は「オフィス、電話回線、電話機の移転スケジュールを上手に調整すること」と言っても過言ではありません。
それぞれの工事内容は以下のように分解できます。
- オフィスの引越し→オフィス工事と引越し作業
- 電話回線の移転→電話回線の配線工事と電話番号の切り替え工事(局内工事)
- 電話機の移転→電話機の配線工事、移動、設置工事
それぞれの工事ごとに必要な準備期間と工程がありますので、各工事会社と綿密な打ち合わせを行うことが必要です。
また、フリーダイヤルや電話秘書サービスなど、ほかに加入している電話サービスがある場合は移転の手配が必要です。
漏れがないように請求書などで確認し、電話がつながらない状況に陥らないように移転スケジュールを組みましょう。
ポイント4.電話回線の種別ごとのポイント
電話回線には様々な種類がありますが、大きく3つのカテゴリーに分かれます。
それぞれのカテゴリーについてポイントを解説します。
03などで始まる電話番号を持つ固定電話回線
※主にアナログ回線、ISDN回線(デジタル回線)
- 電話会社への手続きのみで完結します。
- 物理的な電話線を使ったサービスのため、屋内配線工事が発生します。
- 複数の電話回線を利用している場合は、すべての電話回線に対して手続きが必要です。
- 工事料金は電話回線の数と付加サービスの内容に応じた費用算出となります。
03などで始まる電話番号を持つIP電話回線
※ひかり電話などの各社IP電話回線
- 電話会社への手続きのみで完結します。
- IP電話はインターネット回線を利用した付加サービスのため、インターネット回線の移転に伴う手続きになります。
- 電話番号については固定電話回線と同様に手続きが必要です。
- 物理的な工事はインターネット回線の配線工事で完結します。
- 「付加サービスの変更手続き」という扱いのため、複数の電話回線を使用している場合でも、固定電話回線に比べると割安です。
上記以外の回線
※050IP電話回線
050IP電話は、03番号と違って管轄の基地局ではなく、サービスを適用しているプロバイダーに番号が割り振られているため、移転による番号の変更や手続きは必要ありません。
携帯電話の番号と同様に考えることができます。
オフィスの移転先に関わらず電話番号を変えない方法
電話番号が変わる場合、印刷物やWebサイトなどを変更する必要も出てきますので、できることなら電話番号は変えたくないところでしょう。
しかし既存の電話回線のシステムでは「回線の移転工事」が必要なため、前述したように移転先の住所によっては番号を変えざるを得ません。
逆に言えば、「回線の移転工事」が必要ないシステムであれば、この状況を回避できるということ。
そこで「クラウドPBX」という新しい電話システムが注目されています。
クラウドPBXとは?
クラウドPBXとは、その名の通りPBX(電話交換機)をクラウド上で管理する新しい電話システムです。
これまでPBXは、オフィスの中に物理的な機器として設置して、電話機や各種通信端末と有線で接続することが一般的でした。
そのPBXをクラウド上で管理することで、PBX本体はもちろん、電話機や電話線も不要になりました。
電話線が不要なので、スマートフォンをオフィスの電話機として使用することも可能です。
PBXのメリットはほかにもたくさんあります。
- 備え付けの電話機や電話線が無くなることでオフィスの省スペース化が実現
- レイアウト変更時の煩雑さが軽減される
- WEBブラウザやアプリで設定ができるため管理が簡易
- 場所の離れた拠点、外回りや在宅勤務などで社外にいる従業員との電話連絡を内線化できる
- スマートフォンでも「03」から始まるような固定電話番号での同時複数通話が可能
テレワークが浸透している現在、特に注目されているサービスです。
住所に囚われない電話番号運用
クラウドPBXが注目されている要因の一つとして、「一定の条件を満たす電話番号であれば、移転後も同じ番号で運用することができる」という特徴があります。
つまり、一定の条件を満たせば電話番号を変えずに移転することが可能です。
こちらも、これまではPBXで管理していた電話番号をクラウド上で管理し、インターネット経由で利用することで実現した仕組みです。
注意点として、電話番号によってはクラウドPBXに移行できない場合や、クラウドPBX移行後に他社のサービスに移行できない場合がありますので、詳しくはサービス提供会社にお問い合わせください。
IP電話と同等の通話料金
IP電話はインターネットを活用した電話サービスですが、クラウドPBXの通話についてもIP電話と同様の仕組みが採用されています。
つまり、固定電話回線に比べて格段に安い料金で通話ができ、通信コストが削減できます。
クラウドPBXを導入するにあたっての課題
クラウドPBXを導入するにあたっては、安定したインターネット環境とセキュリティ対策について検討しておく必要があります。
また、クラウドPBXの費用と、サービスを選ぶポイントについてご紹介します。
安定したインターネット環境
クラウドPBXの通話品質はインターネット環境に大きく依存します。
移転先のオフィスに敷設されるインターネット回線が十分な回線速度と安定性を持っているかを確認する必要があります。
光ファイバーを使った回線サービスの中でも性能に差がある場合がありますので、しっかりと確認しましょう。
また、スマートフォン端末で運用する場合、社内の無線LAN(Wi-Fi)環境の整備は必須です。
無線LAN接続が不安定な環境では、受発信や通話品質に支障が出ます。
アクセスポイントの安定性についてはしっかりと対策をしておきましょう。
セキュリティ対策
従業員個人のスマートフォンをクラウドPBXの電話機として使用する場合は、会社の機密情報の漏洩に配慮する必要があります。
万が一スマートフォンを紛失した場合などに顧客情報が漏洩しないための機能が必要です。
クラウドPBXには、スマートフォンの電話帳とは別に、クラウド上で電話帳を管理できるものがありますので、そうした機能を備えたサービスを選ぶといいでしょう。
導入コストと運用コスト
クラウドPBXは、PBXや電話機といった物理的な機器を設置する必要がないため、従来に比べると格段に安いコストで導入が可能です。
毎月かかる費用もアプリやソフトフォンの月額利用料金のみという場合がほとんどです。
PBXや電話機のリース代金が発生していた従来に比べれば、コスト面の課題はほとんどないといえるでしょう。
数ある中からどのサービスを選べばよい?
クラウドPBXは、その利便性とコストパフォーマンスの高さからサービスを提供する会社が増えています。
機能、操作性、利用料金、サポート体制がそれぞれ異なるため、どのサービスを選ぶかは迷うところですが、大切なのは「電話サービスであることを忘れない」ことです。
通話品質が不安定では仕事になりません。
前述したように通話品質はインターネット環境に依存しますが、最適な通話環境をサポートできるサービス会社を選ぶことが大切です。
以上、オフィス移転時の電話番号と電話工事について、ご案内をさせていただきました。
クラウドPBXについては、弊社でもSPICAというサービスを提供させていただいておりますので、ぜひお問い合わせください。
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