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IP-PBXとは?ビジネスフォンやクラウドPBXとの違いやメリット・選び方のコツを紹介

ワーケーションする若い女性

近年では、インターネットを通じてPBXの機能を利用する「IP-PBX」が注目されています。

IP-PBXの導入により、通話料の削減や業務効率化が期待できますが、導入に際しては、類似するシステム(サービス)との違いや注意点なども踏まえて検討することが大切です。

この記事では、IP-PBXの概要や、ビジネスフォン・クラウドPBXとの違い、IP-PBXを導入するメリット・デメリット、サービスを選ぶポイントなどを解説します。

IP-PBXなどのサービスの導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

IP-PBXとは?

受話器を取る女性

そもそもPBXとは、「Private Branch eXchange」を略した言葉で、「電話交換機(構内交換機)」を意味します。

具体的には、組織内の複数の電話機を集約し、内線同士や外線と内線の接続を管理・制御するシステムのことです。

PBXがなければ、内線・外線通話はできません。従業員が社内外で円滑に連絡を取り合ううえで、欠かせないシステムといえるでしょう。

PBXが固定電話の回線網を使用するのに対し、「IP-PBX」はIP(=インターネットプロトコル)ネットワークを活用します。

インターネット回線の普及によって、IPネットワークで音声を届ける「VoIP(Voice over Internet Protocol)」の技術が登場した現在は、IP-PBXへの移行が進んでいます。

さらに、2024(令和6)年1月以降、NTT東日本が固定電話をIP網に変更したことから、IP-PBXが多くの人に認知されるようになりました。

IP-PBXでは、インターネット回線を用いることで、固定電話回線を用いるよりも低コストで通話が可能です。

参考:
固定電話(加入電話・INSネット)のIP網移行|NTT東日本

IP-PBXの種類

IP-PBXには、大きく分けて「ハードウェアタイプ」と「ソフトウェアタイプ」があります。

ハードウェアタイプのIP-PBXは、社内に専用機器を設置して利用します。

ネットワークを社内で管理するため、セキュリティ性が高いのが特徴です。システムを拡張する際には、コストをかけて機器を追加・交換する必要があります。

一方、ソフトウェアタイプのIP-PBXは、自社サーバーに専用のソフトウェアをインストールして利用します。

システムの拡張性が高いため、例えば従業員数(IP-PBXの利用者数)が増えた場合でも、柔軟に対応しやすいのが魅力です。
ただし、ハードウェアタイプよりもシステム構築に時間を要します。

IP-PBXとビジネスフォン、クラウドPBXの違い

スマホを操作する男性

IP-PBXと混同されやすいシステムとして、「ビジネスフォン」や「クラウドPBX」が挙げられます。

ビジネスフォンは、PBXの主装置と固定電話回線を使用するものです。
一方のクラウドPBXは、その名のとおり、インターネットのクラウド上にPBX環境を構築するシステムを指します。

IP-PBXやビジネスフォンのようなオンプレミス型のシステムと異なり、クラウドPBXは物理的な設備を必要としません。

以下は、IP-PBX・ビジネスフォン・クラウドPBXの3つの違いをまとめた表です。

IP-PBX ビジネスフォン クラウドPBX
設置場所 オンプレミス
(自社内)
オンプレミス
(自社内)
クラウド
初期費用 高い 中程度 低い
運用コスト 中程度~高い 中程度~高い 低い
導入スピード 遅い 中程度 速い
拡張性 モジュール追加で
対応可能
限定的 非常に高い
機能の柔軟性 カスタマイズ可能 限定的 非常に高い
使いやすさ 専門知識が必要 比較的簡単 簡単
外出先からの利用 VPNなどが必要 基本的に社内利用に
限られる
インターネット環境さえ
あれば可能
対応ユーザー数 大規模対応が可能 中小規模向け 小規模から大規模まで
対応可能

ビジネスフォンは、IP-PBXと比べてシステムに接続できる電話機の数が限られるため、規模の大きい会社での利用には向きません。また、拡張性や機能の柔軟性も限定的です。

一方のクラウドPBXは、インターネット環境さえあれば、どこからでも利用できる特徴があります。
IP-PBXも環境を整えれば外出先からの利用は可能ですが、対応のしやすさはクラウドPBXのほうが勝ります。

クラウドPBXは、コストを抑え、かつスピーディーにシステムを導入したい企業にも向いているでしょう。

IP-PBXを導入するメリット

スマホを操作する男性

ここでは、企業がIP-PBXを導入するメリットを解説します。

通話料の削減

従来のPBXでは、外出先からオフィスに電話をかける際に、外線の通話料が発生してしまいます。

IP-PBXを導入すれば、社外のスマートフォンはもちろん、電話端末としてパソコンを内線化することも可能です。
外回りの営業担当者や、出張中・在宅勤務中の従業員とも無料で通話できるため、通話料の削減につながるでしょう。

導入がしやすい

IP-PBXを導入する際には、インターネット回線を用いて、ネットワーク上にIP電話の機能を付加します。
すでに社内ネットワークが構築されていれば、新たに電話回線網を工事する必要などはなく、簡単に利用を始められるのが特徴です。

また、IP-PBXなら、1ヵ所にPBXを設置するだけで、複数拠点をネットワークでつなげられます。
ビジネスフォンの場合、拠点ごとに主装置を設置して環境を構築する必要があることと比べると、拡張が容易です。

拡張機能を使った業務の効率化

IP-PBXでは、IPベースの通信技術により通話データをデジタル化し、LAN経由でさまざまなシステムと連携できます。このため、以下のように通話以外の多様な機能にも対応可能です。

カスタマイズによって、これらの拡張機能をうまく活用すれば、業務効率化が期待できるでしょう。

IP-PBXを導入するデメリットや注意点

会社のオフィス

IP-PBXの導入にあたっては、デメリットや注意点も理解しておきましょう。

自社でのサーバー運用が必要

IP-PBXは、ハードウェアタイプもソフトウェアタイプも、自社でサーバーを用意する必要があります。

サーバーの構築や管理・運用には、専門知識が必須です。管理者として対応にあたる人材を確保できないと、導入が難しくなってしまうでしょう。

構築に時間がかかる

新たにサーバーを構築する際には、一定の時間を要します。
ネットワークの設定や最適化など、大規模な作業となる場合は、1ヵ月程度の期間がかかることも珍しくありません。

また、運用を開始できたら終わりではなく、日々のセキュリティ対策や定期的なメンテナンスにも時間を割く必要があります。

サーバーの構築にあたり、購入費や開発費といった初期費用もかかるため、時間だけでなく費用面の負担も大きいでしょう。

通話品質の問題

IP-PBXの通話品質は、利用するネットワークの容量や品質に依存します。

利用環境によっては、通話時にノイズが発生したり、音声が途切れたりといったことが起こるでしょう。
固定電話回線を用いるよりも、通話品質の安定性が劣るケースもあるため、注意が必要です。

ハッキングリスク

インターネット回線を用いるIP-PBXは、固定電話回線を用いる場合と比べると、サイバー攻撃によるハッキングのリスクが高めです。

具体的には、以下のような手口が考えられます。

上記のようなことが起こった場合、海外の通話事業者の有料サービスに電話をかけられ、高額な通話料を請求される恐れがあります。

ハッキングリスクを低減させるためには、先述した「自社でのサーバー運用が必要」の項とも関連しますが、専門知識を持つ人材による強固なセキュリティ対策が欠かせません。

IP-IP-PBXを選ぶポイント

選び方と書かれたブロック

自社に適したIP-PBX製品を選定するためには、いくつかのポイントを考慮する必要があります。ここでは、IP-PBXの4つの選定ポイントを紹介します。

初期費用や運用コスト

IP-PBXを導入する場合、専用機器・専用ソフトウェアの購入費用や、電話機代(端末代)などの初期費用がかかります。

ソフトウェアタイプなら、ハードウェアタイプよりも初期費用を抑えやすいものの、クラウドPBXと比べると導入コストは高い傾向です。

また、初期費用の支払いだけではなく、運用コストとして月額基本料や通話料、オプションサービスの利用料もかかります。

セキュリティ対策やメンテナンスなど、人件費を含めた保守管理にかかる費用も見込んでおかなければなりません。

導入規模が大きくなれば大きくなるほど、費用負担も増加するため、予算とのバランスを考慮する必要があります。
場合によっては、コストを抑えやすいクラウドPBXの導入を検討するとよいでしょう。

必要な機能

IP-PBXには、基本的な内線・外線機能やパソコンの連携機能のほか、「IP-PBXを導入するメリット」の章で紹介したさまざまな拡張機能が存在します。

ベンダーによって提供する機能が異なるため、自社に必要な機能が備わった製品を選びましょう。

もし、小規模の利用で通話料の削減だけが目的なら、必要最低限の機能で十分です。

とはいえ、便利な機能を見ると「どれもあったほうが良い」と感じてしまい、実際には使わないのにもかかわらず、機能が豊富な製品を導入してしまう可能性があります。

こうしたオーバースペックを避けるには、まずは自社の課題を洗い出し、ニーズを明確にすることが大切です。

事業の拡大・縮小により必要な機能が変わる見込みがある場合は、機能を柔軟に変更できるかという点もチェックしておきましょう。

インターネットの許容量

IP-PBXは、社内ネットワークとインターネット回線を利用することを前提としています。
そのため、利用者が多く通信負荷がかかると、通話品質が悪化したりインターネットの速度が遅くなったりして、業務に影響が出るかもしれません。

既存のインターネット回線に対してIP-PBXの利用者数が多いのであれば、回線を別途契約して余裕を持たせる方法があります。

また、IP-PBXからクラウドPBXに移行すると、電話機能がインターネット上の外部サーバーで処理されるようになります。その結果、社内のネットワーク負担の軽減が見込めます。

サポート体制

IP-PBXを導入すると、予期せぬトラブルが発生する可能性もあります。万が一のトラブルに備え、サポート体制の充実度も確認しておきましょう。

ベンダーによって、24時間365日体制のサポートを提供しているところもあれば、土日祝日や早朝・夜間はサポートを受けられないところもあります。

また、自社サーバーを活用する予定がある場合、外部の人間(ベンダーのサポート担当者)をサーバールームに入れても良いのかといった観点からも、チェックが必要です。

まとめ

IPネットワークを活用するIP-PBXは、既存のインターネット回線を用いるため、比較的導入しやすい特徴があります。IP-PBXを導入すれば、通話料の削減や、拡張機能による業務効率化も期待できます。

ただし、物理的な設備を必要としないクラウドPBXと比べると、コストが高くなりやすいことや導入に時間がかかりやすいこと、専門知識を要することなど、注意点もあります。

なるべく低コストで導入したい方や、利用者数・機能の変更にも柔軟に対応できるサービスを希望する方は、クラウドPBXの導入を検討してはいかがでしょうか。

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総務省の通話品質基準では最高基準の「クラスA」を獲得しており、安定した通話環境も強みです。

サービスに関するご質問やご要望があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。
クラウドPBX SPICA(スピカ)|クラウドPBX NAVI

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