個人事業主が事業を運営するうえで、電話番号の取得は必須です。電話の種類には、固定電話・携帯電話・IP電話があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。特徴を理解したうえで、事業で使いやすい電話を選ぶことが大切です。
今回は、個人事業主に向けて、3種類の電話のメリット・デメリットや050の電話番号を取得するメリット・注意点を紹介します。また、050の電話番号の取得方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
電話番号を大まかに分類すると、固定電話・携帯電話・IP電話の3種類があります。ここでは、各電話のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
個人事業主における固定電話のおもなメリット・デメリットは、以下になります。
メリット | デメリット |
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● 取引先や顧客からの信用度が向上する ● アナログ回線で音質が安定している ● 災害時でも通話できる |
● コストが高い ● 引越しで番号が変わる |
固定電話に加入すると会社の所在が明確になり、ビジネスシーンにおいて安心感や信頼感を与えられます。また、銀行の融資の審査で有利になる傾向があるため、事業を拡大したいときに固定電話が役立ちます。
ただし、固定電話の導入には、回線を利用するための施設設置負担金(電話加入権)、開通工事、電話機といった初期費用が必要です。NTT東日本の場合、施設設置負担金は39,600円(税込)と高額です。
なお、固定電話の需要低迷や、中継交換機・信号交換機などの設備が旧式化しているなどの理由から、2024年よりアナログ回線からIP(インターネット・プロトコル)網へ移行しています。
個人事業主における携帯電話のおもなメリット・デメリットは、以下になります。
メリット | デメリット |
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● どこでも通話ができる ● コストが安い ● すぐに電話番号を取得できる |
● 信用を得るのが難しい ● プライベートとの区別がつかない ● 不特定多数の人に電話番号を知られる |
携帯電話は、固定電話と比べて初期費用が安く、電話番号を取得しやすいことが魅力です。また、外出する機会が多い個人事業主にとっては、固定電話よりも携帯電話のほうが便利でしょう。
事業で電話を使う機会が少ない場合は、プライベート用の電話番号をそのまま使うことも可能です。ただし、不特定多数の人物に個人の電話番号を知られるため、セキュリティやプライバシーの面で注意が必要です。
個人事業主におけるIP電話のおもなメリット・デメリットは、以下になります。
メリット | デメリット |
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● コストが安い ● 短期間で電話番号を取得できる |
● 通話品質がインターネット環境に依存する ● 050番号の知名度が低い |
IP電話とは、インターネット回線を利用した電話を指します。受話器からの音声をインターネット回線でデジタル信号に変換する仕組みです。インターネット回線さえあれば電話を利用できるため、固定電話に比べて設置コストを大幅に抑えられます。
また、IP電話を利用する際に割り当てられるのが、050の電話番号です。固定電話は、市外局番と市内局番、加入者番号の10桁の電話番号ですが、IP電話(050番号)は、050と事業者識別番号、加入者番号の11桁の電話番号になります。
また、引越しをしても同じ電話番号を引き続き使用できるのもメリットの一つです。
個人事業主が、事業用の電話にIP電話を利用するメリットをさらに詳しく紹介します。
IP電話の最大のメリットは、そのコストの安さです。インターネット回線を利用するため、固定電話と比べて月額の基本料金や通話料が大幅に安くなります。
特に、インターネット環境がすでに整っている場合は、初期費用をさらに抑えることが可能です。加えて、IP電話同士は通話料無料といったケースもあるため、ランニングコストの削減が期待できるでしょう。
インターネットが利用できる環境があれば、IP電話の050番号を短時間で簡単に取得できます。
固定電話の場合、アナログ回線の工事に数週間かかることも珍しくありません。しかし、IP電話サービスならオンラインでの申し込みが可能で、契約手続きからすぐに利用を開始できます。
スマートフォンのアプリを利用するサービスでは、アプリをダウンロードするだけで利用できるケースもあります。
申し込みからすぐに電話番号を取得できるのは、個人事業主にとって最適といえるでしょう。
IP電話は、住所に関係なく同じ電話番号を使い続けられるといった特徴があります。固定電話は市外局番が入っているため、市外に引越すときは基本的に電話番号が変わります。
一方、IP電話には市外局番が含まれないため、引越しても電話番号を変える必要はありません。
電話番号の変更を周知する手間も省け、顧客や取引先と変わらずにコミュニケーションをとることが可能です。
IP電話は、インターネットが利用できる環境ならどこでも通話が可能です。
スマートフォンなどの端末に専用アプリをダウンロードするだけで、外出先でも会社の電話を受けられます。個人の携帯電話と番号を区別できるので、ビジネスとプライベートの使い分けをしやすいのも特徴です。
また、自宅やカフェ、海外にいても同じ番号で通話ができるため、リモートワークや出張が多い個人事業主にとって非常に便利といえます。
インターネット回線を利用するIP電話であれば、どこに電話をかけても「通話料金が一律」という点もメリットといえるでしょう。
IP電話の050番号は、導入コストの削減やスピーディーな番号取得といったメリットがあります。しかし、IP電話の特性上、いくつかの注意点があることも事実です。
ここでは、個人事業主が050番号を取得する際の注意点を詳しく解説します。
インターネット回線を利用するIP電話は、通信環境の影響を受けやすくなります。通信回線が不安定な場合、音声が途切れたり、遅延が発生したりすることも少なくありません。
特に、Wi-Fi接続や1つの回線を複数の機器で利用している、利用者が多い時間帯などの通信速度が遅い環境では、通話が途切れることがあります。
IP電話を利用する際は、安定したインターネット環境を整えることが重要です。通話の状態が悪いと感じたら、通信速度を向上させる方法を試してみましょう。
インターネット回線の速度を上げるには、以下の方法を実践するのがおすすめです。
050番号は格安で利用できることから、営業電話などで使われることがよくあります。そのため、050で始まる電話番号から着信が入った場合、営業電話だと思われて警戒される可能性があります。
また、050番号には、市外局番などの地域情報が含まれていません。電話を受けた人が「どこの会社の人なのかわからない」と不安になり、電話に出ないというケースもあります。
050番号を提供する一部のプロバイダーで、新規申し込み受付を停止していることも注意点の一つです。
代表的なIP電話サービスの「050 plus」は、2023年6月26日をもって新規申し込み受付を終了しました。運営会社であったNTTレゾナント株式会社が、株式会社NTTドコモに吸収合併されたことが要因です。
楽天モバイルの「SMARTalk」も新規受付を停止し、2025年2月28日でサービスの提供終了が発表されています。
これから050番号を取得する場合、申し込みができるかどうかをまず確認する必要があります。
IP電話サービスの新規申し込みを停止するプロバイダーが増えていますが、IP電話アプリ(050アプリ)、またはクラウドPBXで050番号の取得をすることは可能です。
IP電話アプリなら、端末に専用アプリをインストールし、必要な情報を入力するだけで、簡単に電話番号を取得できます。初期費用も通話料も安いうえに、同じサービス同士の通話が無料でできる場合もあります。
ただし、IP電話アプリは、インターネット回線を利用した電話回線です。あくまでも通話する手段であり、ビジネスシーンで利用するには機能が不足しています。
個人事業主として電話番号を取得する場合は、多機能なクラウドPBXを利用するのがおすすめです。
クラウドPBXとは、従来のPBX(構内交換機)をクラウド上に設置し、インターネット回線を介して通話できるシステムのことです。
PBXとは、内線や外線の通話をコントロールできる装置であり、複数の電話回線で接続を制御することが可能です。
従来のPBXでは、物理的な装置をオフィスに設置する必要がありましたが、クラウド上に置くことでスマートフォンもIP電話として利用できるようになりました。
チームで仕事をする方、従業員がいる個人事業主の方は、クラウドPBXを使えば場所を問わず連絡をとることが可能となります。担当者が外出中でもスマートフォンで電話を取り次げるため、折り返す必要はありません。
また、内線通話を無料で利用でき、通話コストを大幅に削減できることもクラウドPBXの魅力です。
クラウドPBXの「SPICA(スピカ)」は、外出先でもスマートフォンで会社の電話番号を使える次世代のビジネスフォンサービスです。スマートフォンやパソコンに専用アプリをインストールするだけで利用でき、直感的でわかりやすいUIにより操作も簡単です。
SPICAは、総務省通話品質基準における「最高基準クラスA」を獲得。安定した通話品質で、外出や出張の多い方でも安心してご利用いただけます。
なお、通話品質を確かめたい方は、無料デモで通話品質やアプリの使用感をお試しください。端末との相性や動作の不安を解消したうえで、導入を検討することができます。
個人事業主の方が事業用に使える電話には、「固定電話」「携帯電話」「IP電話」の3種類があります。なかでも、費用が安く、場所を問わずに利用できる050番号のIP電話がおすすめです。
電話番号はプライベートのものをそのまま使うことも可能ですが、仕事とプライベートの区別がつきにくい、不特定多数の人に電話番号が知られるといった理由からおすすめできません。
クラウドPBXの「SPICA(スピカ)」なら、リーズナブルな料金で050番号を取得できます。便利な機能が充実しており、通話品質は総務省通話品質基準「最高基準クラスA」の折り紙付きです。クラウドPBXの導入を検討している方は、ぜひSPICAをご活用ください。
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